令和2年(2020年)6月26日の金曜日、炎天下の中ゴロウを2時間ほど扉を閉めた車に入れたままにしてしまいゴロウは熱中症の為亡くなりました。プロとして失格、訓練士として失格、それ以前に人として失格です。

ゴロウは2016年6月1日頃からお世話になっているゴールデンレトリバーのラナちゃんの子供です。ラナちゃんのお父さんを探して名古屋まで交配させに行ったのも僕。

5匹生まれてメスの1匹を可愛がってもらえる方を紹介したのも僕。

賢くなっていく姿を一番見ており、一番楽しく走っていたのも一番見ている。

皆様の愛犬たちの初めは何故か必ずゴロウと遊んでいた。愛犬パスタもたくさん遊んでもらい、たくさん交流をして社会勉強をしてもらった。

境界線がなくどこに行っても同じペース。もしイベントごとやデモンストレーションなどがあるとゴロウを借りようとも思っておりました。

そして小さい時から今まで全部知っていたゴロウ。

僕の事、人の事が大好きだった人に命を奪われたゴロウ、大好きだったゴロウの命を奪った僕。

ゴロウは生徒犬達みんなの友達、みんなの先生。それをも奪ったのは僕。

犬の寿命が尽きた時、命と引き換えに飼い主様に優しさを置いていく。僕がやったことは命と引き換えに怒りと悲しみしか飼い主様に置いていっていない。

テレビで理解できない事件や事故、謝罪会見などがあります。最近では車に我が子を乗せてそれを忘れて死亡するという事故がありました。それを見ながら「何でそんなことになるんだろう?」など思っておりました。

しかし、気がつけば自分がそうなってた。

そして今回の取り返しのつかない事を起こして「何をやってるんだ」「なぜそんなことになる?」と色んな方に怒られました。それでも「一緒に謝りに行こうか?」「何かできることがあれば言ってください」と、そういうお言葉を頂いたのも事実です。

ゴロウの飼い主様は僕が想像できない心理的なショック、深い心の傷、怒り、裏切りを与えてしまった事を改めて心よりお詫び申し上げます。

 

 取り返しのつかない事を起こしてしまった原因

次にやる事、この後にやる事、夕方にやる事、明日にやる事…一度にまとめて考えてしまいました。一番の原因は一人では抱えきれない仕事をしてしまい、時間短縮を優先的に、今やるべき事ではない事まで考えて手を動かしてそれに気を取られたことでゴロウはもう部屋に入れた…と思い込んでしまったのが原因です。

詳細を言いますと訓練が終わり一旦自宅に戻りゴロウ、モコ、マリン、ニコラ、パスタを車から降ろして部屋に入れよう、と思っておりました。

しかし、大型3匹小型2匹を車から部屋までの少しの距離でも連れて行くのはここでは危ないと思いモコ、マリン、ニコラ、パスタを車から降ろして庭に連れて行きました。

そして前日の夜に頂いたお客様へメールを返さないと思いモコ、マリン、ニコラ、パスタを外でトイレをさせている間携帯でメールを制作しました。

しかし、これが間違っておりました。

今やるべきことを優先して行い、すべて終えてからメールを制作すべきでした。

ここで頭の中がごちゃごちゃになりモコ、マリン、ニコラ、パスタ、ゴロウが今いる…と頭の中でなってしまいました。

メール制作を考えながら部屋にモコ、マリン、ニコラ、パスタをクレートやサークルを入れてゴロウがいつも入っているクレートを見るとクレート前に板が立てかけてありました。

ゴロウはクレート内にいる時に他犬が前を通ると吠える癖がたまにあったのでクレート前に板を立てかけてました。

その時、ゴロウがいつも入っているクレート前にたまたま板が立てかけてあり、車にまだいるのにそれを見てゴロウは部屋のクレートにいる…と思い込んでしまいました。

 

 

当たり前のようにしていた本来チェックすべきところを怠ってしまいゴロウの命を奪ってしまいました。

 

取り返しのつかないことをしてしまった認識、どうしてチェックをしなかったのか、どうして一度に何でもかんでもしようとしたのか、何故今やるべきことを優先しなかったのか、何故ゴロウはクレートにいると見てもいないのに訳の分からない事を思ったのか、何度も何度も思い返しても自分の愚かさ、軽率、浅さ、自分で呆れるぐらいの馬鹿さと招いてしまった事の重大さを深く思っています。

 

何の落ち度もないゴロウ、大好きだった人に命を奪われ、大好きだったゴロウの命を奪いました。

 

現在、将来、家族と喜びや幸せがあふれる時間を奪ってしまったこと。また、飼い主様に心理的なショックを与えてしまいお子様にも深い心の傷を負わせ衝撃と悲しみの深さを思うと胸が張り裂ける思いがします。

 

それとこれとは話は全く違うのは十分承知ですが、私の愛犬も詳細は省きますが亡くなりました。

それが何故そうなったのか、何故それをしてしまったのか、自分を責めて相手にも責める思いでした。

自分がされて辛かった事を相手に行ってはいけない、被害者の気持ちは被害者にしか分からない…前を向いて歩こう。

今後このようなことがないようにお客様に少しでもサポート出来ればと思っておりました。

そう思いながら今までやっておりましたが、気がつけば加害者になってしまいました。

言ってる事とやってる事の矛盾にそう思うとまた胸が張り裂ける思いです。

今後の対策

・仕事を減らす、人を増やす

・自分がしなくていい業務(書類など)は費用を払ってしてもらう

・今やるべきことを優先的に行う。一度にあれもこれもやらない。

・夏の車は中をすべてチェックして声に出して行いチェックを終えたのならエンジンを切る。

・休む時間、考える時間を作る

・チェック項目などの書類を制作、飼い主様に毎回提出

・無理なことは断る

今後、どうすればいいかと模索している最中でございますが、今現地点ではこのような対策を考えております。

また、新しい追加の対策などは真剣に時間をかけて考えたり誰かに知恵を借りたりと改めて追加修正していく次第でございます。

今後、上記の通りここに固くお誓い申しあげます。

 

最後に命を奪うという取り返しのつかない事態に後悔してもしきれない思いでいっぱいです。

まずはゴロウに心より深く謝りたいと思います。おこがましいですが、できる事なら手を合わせて深く深く謝りたいです。

そして家族の皆様には心より深くお詫び申し上げます。お子様にも一生残る心に傷をつけてしまいました。

起こしてしまった事の重大さに向き合い、深く反省、対策をするとともに、家族の皆様、そしてお世話になっているお客様には誠心誠意お詫びの気持ちの限りを尽くしてまいります。

改めて今回の事で、自分の行いが如何に軽率で愚かで大馬鹿野郎か。

飼い主様並びにお世話になってるお客様、愛犬家の皆様、生徒犬達すべてを裏切りました。

また僕がお世話になっているお客様の愛犬をゴロウの飼い主様はよく診察してくれてみんな改善に向かった。飼い主様はみんな喜んでいた。

でもそれをも僕は裏切ってしまった。

 

愛犬を亡くした辛さ悲しさ…そして存在。それを一番わかっていた僕がすべて奪ってしまった。

 

初心を忘れた僕が言うのはお門違いですが、

ラナ、お腹を痛めて生んだゴロウを奪ってごめんなさい。

ラナの子供を引き取って可愛がってくれている飼い主様、申し訳ありません。

 

ゴロウ、とんでもなく辛く苦しく暑かっただろう。本当に本当にごめんなさい。

 

今僕が出来ることは謝罪する事。そして徹底して対策する事。

本当に、申し訳ございませんでした。