犬の去勢、避妊
犬の去勢、避妊
さて、今回は犬の避妊去勢について書きたいと思います。
これは人によって賛否両論あるかと思いますが、する、しない、にせよ両方メリット・デメリットがあります。
それを比べて飼い主さんの判断で決めていただいた方がいいと思います。
絶対に特別な理由が無い限り、した方がいい、しない方がいい、と決め付ける人の話はあまりよくありません。
そういう方はデメリットしか説明しません。
両方説明できて、あとは飼い主さんで決めていただく・・・という方にしてください。
メリット、デメリットは犬と飼い主さんによって変わります。
例えば手術すると太りやすくなる・・・といいますが、その犬が太りにくい体質ならちょうどいいですし、飼い主さん自身がきちんと運動、食事を管理をして体重を調整できるのであればこのデメリットは消えてもともと太りにくい体質ならその犬にとってメリットになります。
しかしもともと太りやすく運動もあまりかけてやれないとなるとデメリットとなります。
そんな体質が極端な犬に去勢避妊はした方がいい・・・なんて無責任なことは言えません。
した方がいい、しない方がいい・・・って決め付けはよくない理由が分かりましたか?
きちんと「愛犬の事」と「飼い主さんの責任」を足して考えて答えを出してください。
オス編
オスの発情期は生後8ヶ月前後で訪れます
(詳しくは⇒発情期について)
去勢するのであればそれまでにするのがベスト。(生後5,6ヶ月)
去勢手術はメスより簡単で数時間で終わり、半日ぐらいで帰れます。
傷もかなり分かりにくい。抜糸は大体1週間~2週間
メス編
メスの発情(生理)は生後8ヶ月前後で現れます
(詳しくは⇒発情期について)
避妊手術の場合は卵巣、子宮を摘出する為、オスより少し時間がかかり、費用も高め。
傷もかなり分かりにくい。抜糸は大体2週間前後
一回目の発情来る前に、という方と、発情が1回来てからの方がいい・・・と意見はバラバラです。
なぜかというと発情が1回来るたびに乳がんの確率が上がってきます。
初回発情前だと乳腺腫瘍のリスクが0.5%、1回めの発情後だと8%、2回めの発情後だと26%・・・っていいますが。実はこの数字1969年に発表されたもの。
古くないですか??
とあるサイトの現場では10万匹の200匹が乳がん。確率は乳腺腫瘍の発生率は0.2%、およそ1,000匹中2匹。
どうですか?避妊した、してない・・・正直あまりかわらない・・・。
早く避妊したほうが、0%に近くなるということですね。
メスの場合は発情後、約2ヶ月は手術すると出血が多いので発情後2ヵ月後になる
1週間ぐらいお家で安静なので、今一番社会性が大事な時期に閉じ込めてしまう場合があります。
しかしこれはやり方によってカバーできます。
1週間は安静ですが、小型犬なら天気のいい日は、抱っこして外に連れてったりできます。
2,3日でいつも通りぐらいに動きますので、激しい運動をしなければリハビリがてら天気を見て軽く散歩した方がいい。
草むらなどは避けて、足元が綺麗なアスファルトの上などまで抱っこして連れて行き、しばらくそこで外の世界を見せるなどをした方が良いです。
たかが一週間などと考えてはいけません。
犬の1歳まで
犬は1歳までの1年間は⇒人間で約18歳
犬の1日は⇒人間で18日間
1歳過ぎると
犬の1年⇒人間で約22歳
犬の1日⇒人間で4日間
分かりやすくいうと
1歳までは一日、人間の18倍のスピードで成長しています
1歳過ぎると一日、人間の4倍のスピードで成長しています。
たかが1週間・・・
でも人間で例えると
18日間(幼犬の一日の成長)×7日間(1週間)
=126日間(手術後の安静期間)
人間の子供を4ヶ月間家に閉じ込めているという事です。
ね。数字にするとすごいリアル・・・。
一生帰ってこない時期。
完全に家で安静ではなく、工夫して控えめに社会性を身に付けてあげましょう。
させたいのであれば、しないよりした方が良い。何度もいいますが、させたいのであれば・・・。
しかし発情期を過ぎて去勢しますとオスとしての行動(マーキングなど)が軽減する場合もありますが癖はなくなりません。
マーキング、警戒心、無駄吠え、マウンティングなどを覚えてから去勢するわけですから、この行動がパッと無くなるわけではない。
過去にはこんなことが・・・
攻撃性がある為、去勢を行った
しかし何も変わらない。
なので、トレーニングを依頼した。。。
ってことが多い。
そりゃそうですよね。そんな事で改善されるなら世の中の噛み犬はいなくなります。
そんな都合のいい話はありません。幼犬の頃から去勢している犬でも攻撃性の犬はいますので、したから、していないから・・・なんてあんまり関係ないかもしれません。あくまでも軽減する。
飼い主さんも気休め程度になるかも・・・と理解したうえしているため、もし噛み癖がある愛犬がいるのであれば、気休め程度・・・と考える方が良い。
繁殖
去勢をする:繁殖できない
去勢をしない:メスが見つかれば繁殖できる
アドバイス:繁殖できないのは結構大きいです。させるつもりがないならいいのですが、最初はするつもりが無くても数年後、その犬が優秀だった、交配相手が見つかった、この子供がほしくなった・・・などなど後悔する飼い主さんが結構います。勿論、その逆も・・・。繁殖させたいが去勢もしたいのであれば交配させてメスが妊娠したのならその後去勢でも良い。
メスに対して
去勢をする:メスの発情期に反応が鈍くなるまた無くなる
去勢をしない:マーキング行動をあまりしないオスはメスの発情に対して鈍感。しかしメスの発情に激しく反応する犬は夜鳴き、食欲不振(恋の病??)、嘔吐(食事をしていない犬が胃液をはく)、下痢(行きたくても行けないストレスから)、匂いが気になりトイレをなかなかしない、言う事がかなり聞きにくい・・・などなどこれは現場でも中々大変です。しかし多数飼いなどでメスが近くにいる場合のお話。近くにいない場合はそこまで激しくはなりません(メスの発情は2週間ぐらいなので2週間、オスは反応する)
アドバイス:飼い主さんの周りにメスがあまりいなく、いたとしても飼い主さんがきちんと管理できるのであればデメリットではなくなります。これがきちんとできないとか自信が無いない場合は去勢も視野にいれてもいいと思います。それとオスもメスの発情を見つけても匂い嗅ぐだけで反応しないオス犬もいます。
オスとしての行動
去勢をする:マーキングが減る、マウンテングが減る←減らない犬もいる
去勢しない:マーキングが目立つ、マウンテングが目立つ←目立たない犬もいる
アドバイス:マーキングを覚えてから(オシッコが出てないのにあちらこちらで)の去勢はマーキングが少し減るだけです。マウンテングも同じ。結果的に犬による
ホルモンバランス
去勢をする:ホルモンバランスが崩れ、食欲旺盛になる(花より団子)、太りやすくなる(運動力が軽減する)、毛質、艶が悪くなる
去勢をしない:ホルモンバランスが崩れない
アドバイス:太りやすくなってもきちんと管理できるのであれば問題ない。毛質や艶も食事の質で防ぐ事ができる。しかしできない場合はブクブク太る、見た目が悪くなる。拾い食いが目立ち小型犬なら腸閉塞などで亡くなる犬がいるが、これも飼い主さんの管理で防ぐこともできる。去勢をしなければ犬にもよるが管理の手間がかかりにくい。
病気
去勢をする:精巣の腫瘍、前立腺腫瘍をのぞく前立腺疾患(前立腺肥大、前立腺炎)、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫など防げる
去勢しない:この病気にかかる場合がある
アドバイス:去勢をして管理不足で太ってしまった場合、心臓病、糖尿病、足が悪くなる=歩けなくなる・・・など去勢していても違う病気にかかりやすい場合がある。しかし肥満は飼い主さんの管理でまかなえるが、去勢をすると防げる病気は飼い主さんの管理だけでは防げない・・・と考えるのが良い
繁殖
避妊をする:繁殖できない
避妊をしない:繁殖できる
アドバイス:繁殖できないのは結構大きいです。させるつもりがないならいいのですが、最初はするつもりが無くても数年後、その犬が優秀だった、交配相手が見つかった、この子供がほしくなった・・・などなど後悔する飼い主さんが結構います。勿論、その逆も・・・。繁殖させたいが避妊もしたいのであれば子供を生ましてからするのでも良い。
病気
避妊をする:乳腺腫瘍、子宮蓄膿症、卵巣腫など防げる
避妊をしない:乳腺腫瘍、子宮蓄膿症、卵巣腫などにかかる場合がある
アドバイス:これは結果論でなんともいえません。避妊をしていなくて乳腺腫瘍、子宮蓄膿症、卵巣腫などにかかってしまった場合、避妊しとけばよかった・・・。しかし病気にならなければ避妊しとけばよかった・・・。なんて思いません。
↑この犬は乳がんになりました。しかし避妊しとけばよかった・・・などとは思いませんでした。避妊していればまた別の病気や行動の変化で何かしら問題が起こっていたかもしれないと思います。人によりますが、やはり結果論かと・・・。
メスの発情(生理)
避妊する:発情(生理)がこない
避妊しない:発情(生理)が来る(詳しくは⇒犬の発情期)
アドバイス:手間が半年に1回くるだけで発情中しっかり管理できるのであれば問題ない。しっかり管理できないのであれば問題がある。
ホルモンバランス
避妊をする:ホルモンバランスが崩れる、偽妊娠しない、食欲旺盛になる(花より団子)、太りやすくなる(運動力が軽減する)、毛質、艶が悪くなる
避妊をしない:ホルモンバランスが崩れない
アドバイス:太りやすくなってもきちんと管理、運動できるのであれば問題ない。毛質や艶も食事の質で防ぐ事ができる。しかしできない場合はブクブク太る、毛質や艶が悪くなり見た目が悪くなる。拾い食いが目立ち小型犬なら腸閉塞などで亡くなる犬がいるが、これも飼い主さんの管理で防ぐこともできる。避妊をしなければ犬にもよるが管理の手間がかかりにくい。
稀に麻酔アレルギー、手術後麻酔が切れても起きず亡くなる、手術後亡くなる・・・などはあるみたいですが、かなり稀。
獣医さんいわく、麻酔の事故は確率でいうと0.01234・・・%ていうぐらいのとんでもなく低い確率。もし、事故があったのであれば犬側に何かしらの原因があったのかもしれません。。。(体調が悪いのに手術を受けたなど)
これはなんともいえませんが、例えば甘えたで例えると・・・
50%甘える、50%他の犬の匂いが気になる・・・で考える
去勢をしたら他の犬の匂いが気になるが30%減ったならその減った30%は他のところに振り分けられる
50%甘える⇒80%に増えて
50%他の犬の匂いが気になる⇒20%に減る
すると以前より甘えてくるようになった・・・と思います。
食欲で例えると
50%食欲、50%他の犬の匂いが気になる・・・
去勢をしたら他の犬の匂いが気になるが30%減ったならその減った30%は食欲に振り分けられる
50%食欲⇒80%に増えて
50%他の犬の匂いが気になる⇒20%に減る
すると
以前より食欲旺盛になった、太っちゃった・・・などなど
これが性格が変わった、よく食べるようになった、・・・と思うことかもしれません。
勿論、オスとしての行動(他の犬の匂いが気になる)が変わらなければ、性格も変わらないということ
これはあくまで例ですので、参考に。
幼犬の頃に去勢した犬
マヨ君(オス)
↑マヨ君は幼犬の頃にした為、比べるものは無いですが、マーキングは極たまにします。しかし、もともとかなり少ないほうです。マウンテングはたまによその大型犬にします。
こてつ君(オス)
↑こてつ君も幼犬の頃にした為、比べるものは無いのですが、マーキングあまりしません。マウンテングは気を抜けばします。
成犬になって去勢した犬
コータ君(オス)
↑4歳ぐらいで去勢:マーキングは50%ぐらい減りました。マウンテングはもともとしません。甘えたがさらに甘えたになった。去勢前は発情犬がいると食欲不振、嘔吐(食事をしていないため)、下痢(ストレス)、地面から離れないなどありましたが、去勢をしたらすべて無くなりました。
レオン君(オス)
↑2歳ぐらいで去勢:レオン君はしてもマーキングし放題。マウンテングもし放題
去勢してない成犬
アル君(オス)
アル君は去勢はしていません。1歳ですが、マーキングはあまりしません。性格がマッタリしていてとても淡白です。近くに発情犬がいても普段と変わりません。
避妊していないメス
ミントちゃん(メス)
発情前は毛が綺麗になります。管理はなれているので特に苦ではない。しかし去勢をしていないオス犬がいると隔離したり、外に行くのを控えたりと手間はかかります。
成犬になって避妊したメス
ひかるちゃん(メス)
8歳で避妊:性格は少し甘えたになって要求吠え(クンクン泣く程度)が増えた、食欲が増えて目を盗んでは何か探しています。食事前の要求吠えも増えた。そして食欲が増加して穴を掘り土を食べて嘔吐、下痢をしました。腸閉塞になってはたまりませんので土の上を控えるようになりました。発情がこなくなったのでそれは気にしなくなった。発情の手間がなくなった分、違う手間が増えた感じです。
・・・と犬の性格によってバラバラです。ぜひ参考に。
犬の避妊手術・去勢手術に補助金が出ることをご存知でした?
すべての自治体で行われるているわけではなく、各市町村ごとに規定があり、補助金を交付しているところもある。
金額も少ないところでも2000円程度、多いところでは10000円以上助成してくれるケースがあるようなので、これから手術を受けさせようと考えておられる飼い主さんは、お住まいの市区町村の役所へ問い合わせて下さい。
大体の去勢、避妊料金(サイズに異なります)
メス:20,000円~40,000円前後
オス:15,000円~30,000円前後
茨木市
目次
去勢:2,000円、避妊:3,000円
枚方市
去勢・避妊とも:5,000円
富田林市
去勢:3,000円、避妊4,000円
内郡・河南町
去勢:3,000円、避妊4,000円
わかる範囲内です。
他にあるかもしれませんので住まいの市区町村の役所へ問い合わせて下さい。
愛犬家の皆さん、これを読んでどう考えますか??
する、しないにもメリットデメリットが存在します。
去勢避妊をして病気を防いでも避妊去勢をしたからこんな病気になった、こんな行動が減った、こんな行動が増えた・・・てこともあります。
体のことは時代によって情報が進化していきます。
した方がいいか、しない方がいいか・・・答えはすべて結果論かもしれません。
飼い主さんがしっかり去勢避妊を理解してライフスタイルに合った対応をしてください。
H26年4月掲載
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