妊娠中の管理

パス姉
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あっ気がつけばお腹がポッコリ。

お腹に赤ちゃんがいれば赤ちゃんのために食事や運動などやる事、必要なことがいっぱい。

元気な赤ちゃんを産むために詳しく勉強していこう♪

子犬3兄弟
子犬3兄弟

妊娠中の管理

出産予定日

交配によって受胎が成立したか否かの判定はすぐには出来ません。

 

出産は交配日から数えて58~63日目頃

とされていますが、これはあくまでも予定日で正常の場合でも胎仔数の多い少ない、その他の条件で前後します。

 

交配後15日くらいたつと受胎した場合乳腺が張ってくる等の微候が現れますが、普通は40日以上経過して腹部の膨大を見るようになって初めて妊娠したと認めることになります。

 

犬によっては、つわりがくることもあります。

つわりは通常交配後22~24日頃になって現れるようです。

 

症状はその日だけ急に食べない、嘔吐などが多く全く変わらない子もいます。

つわり

2ヵ月少々という犬の妊娠期間から考えて受胎の徴候は大分遅くなって現れるものだと感じますが、 これは受精卵が子宮角に着床するのが、受精後21日過ぎた頃であるのでその直後につわりの症状が出るものと考えられます。

 

妊娠55日目から成長しない

胎児の発育が進み、子宮の収容能力が限界に達する時点で出産という現象になるのですが、これは55日目頃になって子宮が拡張の限度近くなり、それが物理的な刺激となって内分泌が起こります。

 

母体は出産に向けて体勢を整えて行くのですが、この準備期間が55日頃からの一週間であるのでしょう。

55日頃を境にした胎児の発育の鈍化もこう考えてみると頷けることです。

 

しかし、これも胎児の数が1、2と少ない時は微候が判然としないことが多く、偽妊娠の場合もあるので乳腺の膨張や腹部の膨大があっても絶対とは言い切れないのです。

 

殆どの場合この徴候によって妊娠したと判断されて、母体の体重の増え具合も有力な判断材料になります。

 

これらの測定で知っておいて欲しいことは

腹部の膨大と乳腺の膨張、それと体重の増加すべてに共通して55日を過ぎるとその数値はあまり増えないということです。

 

この理由はよくわかりませんが、55日過ぎればもう出生しても大丈夫というくらいまで発育してこの時期以降の出産日までの1週間は胎仔は内部の充実がはかられているのでしょう。

 

2度交配した場合

犬の出産は交配日から平均63日目頃ですが、出産予定日は正確には排卵日を起算とすべきであって排卵に合って交配がなされればおそらくその翌日あたりに卵管内で受精が行われるでしょう。

 

交配が早すぎた時には排卵は未だであり、 受精もそれに応じて遅くなるわけなので交配日起算では多少日数が延びてきます。

 

2度がけをした時には、どちらを起算日とするか迷いますが、大体が2度目を起算日として良いようです。

 

これは犬の繁殖メス犬がオス犬を許容するようになってもその排卵は略々2日後になる(卵子の受精可能な状態はさらに1日程選くなることと、そもそも2度がけするのは最初の交配が早かったとの認識もあるわけですから2度目を起算日とした方がより近い日になる理屈です。

 

妊娠の判定

腹部の大きさの測定は大型は6、7頭の胎児数の時で45日以上経過すれば可能となり、測定は犬体の一番後部の肋骨の直後で測ります。

 

45日から55日頃にかけては毎日測ってみても大型なら目に見えて増加していくのがわかります。

0日➡45日➡55日(横)

0日➡45日➡55日(腹)

 

 

腹部の膨大の他に目安となるのは乳房の変化ですが、普通15日くらい経つと左右の乳房にそれぞれ縦に乳腺が張ってきます。

順番に交配後7日後、20日後、30日

  

後方から2対目の乳頭あたりを中心として太さが増してくるのですが、想像妊娠の場合にもこの現象はしばしば現れて妊娠したと間違えることがあるようです。

 

交配と出産する子犬を楽しみしていて妊娠を早く知りたいのはやまやまでしょうが、犬の場合は不受胎に終わっても草食動物のように、1ヵ月以内に再発情がくるようなことはありません。

 

数ヵ月後にくる次の発情まで待つより仕方がないのですから交配したならば受胎しているものとして食事と運動に気を配ることです。

 

妊娠前期(運動・食事・判定)

妊娠前期(1日~30日)

2ヵ月の妊娠期間を

前期と後期

に分け、食事と運動について書いてみます。

 

妊娠の初期はまだはっきり徴候が現われてきませんが、後期に入るといろいろな徴候が出てきます。

受胎しているか、否か、はっきりしたことはまだわかりません。

 

妊娠前期は受精卵が子宮に着床する前の時期ですので、交配後の無理な運動やシャンプーは1週間ひかえめにしてください。

 

子宮に着床する頃、先ほども述べたように受精卵の着床時期(18日~24日後) 「つわり」の症状を示し、食欲の減退や嘔吐が続くこともあります。

 

また味覚が変わって普段食べなれたおやつなど食べなかったり、口にして吐き出したりとすることもあります。

これは一時的なもので自然と回復してきます。

 

だからと言ってこの前期においてはあまり特別な配慮は不要です。

 

例えば食事にしても、あまり増量したりするとかえって害があります。

食事管理は母体と胎児のこれからの成長を考慮して栄養バランスのよいものをお勧めします。

と言うのは、この前期における胎児の発育程度は思ったより、ずっと小さいものに過ぎないからです。

注意
この時期の食事回数は1日1回~2回、以前から食べていた成犬用フードで充分です。また、やたらとミネラルやビタミンなど補給することは控えてください。妊娠中にハムやチーズなどの塩分を多く含んだものを与える飼い主がいますが、嗜好性が高いので本来食べさせなければならないフードも食べなくなります。食事管理がうまくいかなくなる原因の一つなので与えないでください。牛乳は下痢をする母犬には飲ませないでください。これは牛乳成分の乳糖を分解する酵素を犬は持っていないため下痢の原因になるからです。

 

成長表で見る

大型犬クラスの犬の胎児の発育度合いを表にしてみますが、前期でこの程度の大きさであることを知ればたとえ複数頭の妊娠であっても、未だそれ程多くの栄養分はいらないということをわかって頂けます。

大型犬胎仔の発育表(1頭の推定値) 交配後 体長 体重
妊娠前期 18日 0.5cm
  25日 1.2~1.5cm 150~200mg
  30日 2.5~3.0cm 800~1000mg
妊娠後期 35日 3.5~5.0cm 2.5~5.5g↓急激に成長↓
  40日 6.0~7.5cm 9~20g
  45日 9.0~11.0cm 40~60g
  50日 13.0~16.0cm 180~220g
  55日 16.0~18.0cm 350~400g

妊娠前期の終り、30日目の体重1,000mgは1gことですから、10匹いたとしても10gしか増えてません。

子宮壁の肥厚、胎盤の存在等を含めても、この時期母犬の外観上の変化は認められない筈です。

 

しかし、30日目から5日経つにつれて急激に成長しているのがわかります。

 

妊娠初期は余り変化はありませんが、この時期から徐々に増加して出産間近になるとピークに達します。

それに合わせて食事や運動、管理にも気を付けなければいけません。

 

妊娠前期の運動(1日~30日)

交配後1週間位は、毎日の運動量を少々軽くします。

 

精子の化犬体内での生存期間は約1週間とされていて、排卵日が交配日と一致しなくても1 週間は受精可能な期間になります。

 

あまり激しい運動でない限り受胎に影響することはないにしてもそれを確実にするための心遣いです。

 

それ以後の運動は交配前の量に戻しますが、手抜きしないで必ず行うようにします。

 

規則正しい運動は、母体の健康と体力の維持、さらには胎仔の発育に好影響があります。

交配後35日位までは運動も支障ありません。

 

妊娠前期の食事(1日目~30日目)

食事は前期においては増量してやる必要はなく、食事量は交配前と同じで構いません。

注意
交配した犬に対する食事量はどうしても多くなってしまいがちですが、仮想妊娠の傾向を持つ犬では肥満による腹囲の増加のため、妊娠と間違えることになります。

 

妊娠前期の妊娠の確認(1日目~30日目)

妊娠を確認する方法は、腹部の触診、X線検査、超音波検査、聴診などです。

 

妊娠初期の受精卵が子宮に着床した頃は、先ほどの大型犬胎仔の発育表(1頭の推定値)】を見ても確認不可能です。

 

個体差にもよりますが、妊娠ーカ月前後(35日~40日)に腹部の触診で確認することができます。

 

35日を過ぎると胎水が増加し、子宮が柔らかくなり、腹腔内の腸管などの臓器との鑑別が難しくなります。

 

触診の方法は、犬を静かに立たせて左右の手を脇腹に当て指を少し開いて腹部を軽く圧迫しながら下腹部に降下させていくと妊娠子宮を下腹部に落ち着かせることができます。

 

そして子宮の着床部を優しく指の間に落ち着かせて触診します。

胎児数については正確に把握することができません。

 

子宮の膨らみはちょうどピンポン玉を触れているように丸く硬いく、他の腹腔臓器と明確に違いがわかります。

 

この方法は空腹時に行なうべきですが、多少の経験と熟練が必要になってきます。

肥満犬ではこの方法は難しく、痩せている犬の方が確認できます。

 

一般の方は35日~40日ぐらいで超音波検査(エコー)で胎仔の有無を確認しましょう。

35日ぐらいでも確認しづらいこともあります。

愛犬がめでたく妊娠していることを飼い主は早く知りたいものです。妊娠徴候だけで妊娠を確認するのは偽妊娠の可能性もあるので避けた方がよいと思います。40日ぐらいではお腹の膨らむで目視確認できる場合もありますが、かかりつけの動物病院で的確な妊娠診断を受けることをお勧めします。

 

妊娠後期(運動・食事・判定)

妊娠後期(31日目~63日目)

受精卵が着床したこの時期の体重の増加は緩やかです。

受精卵が子宮に着床して安定時期を迎えますので、1ヵ月過ぎてもまだ始めの1週間程の管理は前期の延長で良いでしょう。

 

出産に向けて本格的に管理していくのは35~40日後ぐらいからです。

 

シャンプーも妊娠半(30日~35日)で1回ぐらい行ない、清潔にしておくのも良いでしょう。

 

フードの切り替え

妊娠微候として乳腺の発育が見られて腹部も少し張ってくるこの時期は35日ぐらいから食事を市販の妊娠授乳時期用(パピー、子犬用など)の高カロリーフードに切り替えます。

 

このフードはカロリーが高いため、急な食事変更で体調を崩すことがあります。

30日ぐらいから1週間ぐらいで徐々に替えていってください。

 

外観で腹部の変化

まず現れる変化は食後に下胸部が膨大してくることです。

犬は胸に仔を持つと言われているようにまず下胸部の膨らみから認められるようになります。

 

中期から後期にかけて子宮内の胎児も徐々に発育して体重も順調に増加してきます。

交配後35日程経った頃から食後に少々膨らんできたようだの程度で感じられます。

 

この膨らみは徐々に腹部に移っていって42~43日目になる頃から腹囲の増加が目につくようになります。

 

42~43日目ぐらいから適度な運動は続けても良いですが、高いところや階段の昇り降りには流産の危険があるので注意が必要です

 

また、子宮の膨張が原因膀胱や直腸を圧迫して排尿、便秘や排便回数が多くなり、動作もゆっくりになります。

 

普段は我慢できるのにお腹の圧迫で廊下に排尿

腹部も膨満になり、特に出産間近になりますと肢の短い犬種(ダックスフントやコーギーなど)では床に着くほどになり、地面に擦れて傷の原因にもなります。

抱くときも腹部を圧迫しないような抱き方を心掛けてください。

 

母犬45日目

乳腺を絞ると乳汁が分泌

後期になると乳腺の発育が目立つようになり、乳頭もピンク色に変わって大きくなり、乳腺を絞ると乳汁が分泌してきます。

 

42~43日目から、55日目頃にかけての胎児の発育度合は大変なもので1日1日驚くほどの速度で育っていきます。

 

産室を用意すると、前肢で床を掘るような行動(巣作り行動)します。

出産当日になると不安そうに飼い主を見たり、ウロウロして情緒不安定になり、産室を出たり入ったりします。

 

出産間近の巣作り

出産間近になると汚れて不衛生になる局部付近の毛は短くカットして出産に備えましょう。

また、子犬が母乳を吸いやすいよう乳腺周囲も同様に短くカットしておきます。

動物病院

胎児の頭数、大きさ、骨盤の状態などを確認するために事前にかかりつけの動物病院で検査を受けることをオススメします。小型犬の出産では特に、難産や早産、あるいは、帝王切開をしなければならないことがあるので動物病院で検査を受けておけば安心して出産にのぞめます。

 

妊娠中のおりもの

写真妊娠中46日目のおりもの(腟乳)

交配後2,3週間くらいからドロッとした透明~乳白色のおりもの(腟乳)が出ることがあります。

 

写真では後期の46日目ですが、おりものの状態量などは受精卵の数やホルモンの状態によって異なり、子宮から分泌される分泌液で受精卵の栄養源及び保護としての役割を持ちます。

 

妊娠や交配をしていなくても発情(生理)が終わって2,3週間後におりものが出る場合もあり、どちらにせよ問題ありません。

 

異臭がしたり、血が出てたり、色の変化緑の体液(胎盤)などがある場合は直ちに病院へ相談するようにしましょう。

 

妊娠後期の運動(31日目~63日目)

先ほどと同じ1ヵ月過ぎても、まだ始めの1週間程の管理は前期の延長で良いでしょう。

 

腹部の膨らみが目につくようになる45日頃になったら過度な運動はやめて控えめにする。

 

運動にしても、「交配前と全然変わらない運動を出産間際までしていても大丈夫ですよと、

その通り実施している人もいますが、あまり極端なことはお勧めはしません。

運動は必要

分娩間近になって過度の運動を課すことにならないために、徒歩が無難で徒歩による歩き運動はその距離及び時間を充分にとることで、母体の体力低下及び胎の発育しすぎによる難産を予防するようにゆっくり長く歩いて運動する。その時は勿論、段差や高いところから腹を何かに打つなどを避けるようにする。徒歩による運動も分娩予定の1週間程前になったら、犬の状態を見ながら無理のないようにして特に気温の高い夏頃には過度にならないようにする。

 

妊娠後期の食事(31日目~63日目)

運動と共に大切なことは食事です。

食事に関しても1ヵ月過ぎても、まだ始めの1週間程の管理は前期の延長で良いです。

 

後期(35~40日)に入ると食欲が増加してきます。

 

この時期は胎児の成長に伴い母犬の食欲も旺盛になってきますので40日目で量的には普段の10%~30%を徐々に増やして与えてください。

45日目~50日目は食事量は多くなりますが、胎児の成長とともに子宮が胃腸を圧迫して1度に多く食べれなくなります.

 

母犬をよく観察しておき「食べたいけどお腹がきついから食べにくい」のような感じなら1回の食事量を減らして1日3回にしてやり、55日目ぐらいから60日目の末期では4回にしてあげましょう。

体重は増え続け、妊娠末期にはピークに達します。

 

また、吸収し易く、母犬、胎児双方に良い食品はまず犬用ミルクが挙げられますが、肉、魚、卵黄などもなるべく脂肪分の少ないものにします。

出産日が間近になるとソワソワしだして出産に備えるため食欲が無くなりますが、 出産後はまた食欲が出てきます。

大きくなりすぎる?
昔なら食べるものが乏しくなるべく栄養価の高いフードで母犬、胎児の栄養を満たしてきましたが、今の時代は栄養価の高い食内容の充実で過ごしやすい時代になりました。しかし、多く与え過ぎによる胎児の育ち過ぎによる難産の場合もあります。中には妊娠中の食事内容は普段通りで変えなくてよい…という人も多くいてこれは難産防止と思われます。

 

妊娠後期の頭数確認(31日目~63日目)

X線検査(レントゲン)は、胎児の骨格が明瞭になる妊娠50日~に受けてください。

 

何ならぎりぎりの55日~60日でも構いません。

 

早すぎると骨格が不鮮明で的確な診断ができませんし、X線検査を何回も受けることになると胎児への影響があるので1回で済ませることがよいと思います。

把握しておこう

検査によって胎児の頭数や発育の状態、胎児が通過する骨盤の産道も計測でことができるので正常な出産に備える事ができます。骨盤狭窄(先天性や骨盤骨折)や胎児の頭数が少なく成長が早い場合は産道通過障害による難産が予想されるので帝王切開も考慮に入れておくべきです。子宮、胎長、胎児が確認できます。 妊娠後期には聴診器を使用して胎児心音を聴取することもできます。

 

 

その他

擬似妊娠、偽妊娠、想像妊娠

メス犬は、妊娠の有無にかかわらず、排卵後に黄体が形成され、2 カ月ぐらい黄体ホルモンを分泌します。

 

その影響で乳腺の発育や乳汁の分泌など、妊娠徴候と同様な症状が発現することがあります。

 

末期の症状ではボロ布や新聞紙などを与えるとーカ所に集めて巣を作るような行動(巣作り行動)をとることもあります。

飼い主の脱いだ衣類などをくわえて行ってしまう行動もこれと同様です。

乳汁で周囲を汚したり、ぬいぐるみなどを与えると授乳させるような行動をとる犬もいます。

これらの症状や行動を擬似妊娠、偽妊娠、想像妊娠と呼んでいます。

 

飼い主が、知らない間に交配したと勘違いして診断のために動物病院へ連れてくることもよくあることです。

外見では診断がつきにくい場合もありますので、X線検査や超音波検査も必要とする事もあります。

 

軽度の偽妊娠

発情1ヶ月数日後、乳腺が発育して乳汁1ヵ所は乳腺炎

乳汁分泌のために自分で舐めてしまうことがあり、これにより細菌感染を引き起こし乳房炎を引き起こすことがあります。

 

こうした場合は、腹部を覆うようなもの(腹帯)で舐めることが出来ないようにする必要があります。

また動物病院で抗生剤などの処置も必要で授乳動作などの母性行動から他の興味のあることへ関心が向くようら飼育環境を変えることも大事です。

 

これらの症状は、無発情期が来れば自然に収まります。

 

治療としてホルモン治療が行われますが、何回も繰り返すようでしたら繁殖を諦めて、避妊手術をすることも考えておかなければなりません。かかりつけの動物病院でご相談ください。

 

流産

妊娠が中断されて、胎児が死亡してしまう流産は犬の場合はそれほど多くみられません。

 

原因として挙げられるのは腹部圧迫などの機械的刺激、胎児の奇形、細菌、原虫、ウイルスの感染などです流産の多くは突発的に起こるので防止するのは困難です。

 

妊娠前期、妊娠中期に流産をした場合、外陰部を舐めたり胎児や胎膜を食べてしまい痕跡がなくなるので確認が困難なことがあります。

注意
流産の中でもっとも一般的な原因であるブルセラ菌による流産は妊娠後期に見られ、人間にも感染する恐ろしい疾患です。妊娠後期に流産が見られたら、ただちにかかりつけの動物病院の指示を受けてください。

 

出産に向けて最後に

出産時の胎児の体重が小型で200g前後、中型300g前後大型犬クラスで450g前後に揃い、体がしまって堅太りに出来ていれば 妊娠中の管理が適切であったといえましょう。

 

大型の場合この出産時の体重も数10年程前までは400gが一応の目安であったのですが、近年は食内容の充実と管理技術の向上(あるいは運動不足?)の結果500gを超えることが珍しくなくなり、胎仔が1、 2頭と少ない場合は、600g以上、時には700gにも育っているとの話も聞きます。

 

こうなると難産の心配が出ます。

 

小さく産んで大きく育てるではないにしても中等の大きさに止める必要があります。

胎仔の発育は55日これ以後、出産時まであまり目立った変化はなく、体重が僅かに増えるくらいで、体長の伸びはほとんどなくなります。

 

従って母犬の腹囲の増加もこの時期以後変化しなくなるので何かの原因で発育が止まってしまったのではないかなどと心配させられることもありますが心配いりません。

 

「胎仔が母犬の骨盤内に移ってくるので腹部の膨大がストップするのだ」などと言われたりしましたが前述したように、55日くらい経つと胎児の発育はほぼ完了し、成長もほとんどないために起こる現象です。

 

母体の体重増加もあまり認められなくなることも納得のいくことです。

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